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2024.03.05 犬や猫の乳歯が抜けない?乳歯が抜ける時期は?|犬や猫の乳歯遺残について

犬や猫も人間と同じように最初は乳歯が生えており、生後3〜4ヶ月頃に乳歯から永久歯へ生え変わり始め、生後6〜7ヶ月頃に全ての生え変わりが終了します。この永久歯への生え変わりの時期が終わっても乳歯が抜け落ちていない状態を乳歯遺残(にゅうしいざん)と呼びます。

今回は犬や猫では乳歯遺残がどのような問題を引き起こすのか、詳しく解説していきます。

■目次
1.原因
2.症状
3.診断方法
4.治療方法
5.予防法やご家庭での注意点
6.まとめ

原因

永久歯が生える際、乳歯の歯根は破歯細胞という細胞により溶かされます。しかし、この働きがうまく機能せず乳歯の歯根が溶けないことが、遺残の原因となります。

 

症状

永久歯の横や上に乳歯が残っている様子が確認できます。特に犬歯や切歯で起こりやすく、太い永久歯の犬歯の横に細い小さな乳歯の犬歯が並んでいることが多いです。
切歯に遺残が起こると永久歯の上に乳歯が残り、二枚歯のような状態になっていることがあります。
また、乳歯遺残は歯並びが悪くなり、歯に汚れが溜まりやすくなるため幼少時から口腔トラブルを起こしやすくなります

 

診断方法

診断方法は、口腔内の視診により診断されます。
見た目でわかる遺残だけでなく、歯茎の中に埋没歯があるケースもあるため、歯科用レントゲンを撮ると口腔内の状態をより詳細に把握することが可能です。

 

治療方法

全身麻酔下で、遺残している乳歯を抜くことが推奨されます
一般的に、生後6か月過ぎ頃から避妊去勢手術を推奨しているため、術前に歯の生え変わり状態もチェックしておき、残っている乳歯があれば手術時に抜歯するかどうかを検討します。
乳歯遺残は歯周病のリスクとなるため、基本的には抜歯した方がよいでしょう。しかしその分、通常の避妊去勢手術よりも麻酔時間が長くなるため注意して行うことが重要です。

 

予防法やご家庭での注意点

乳歯遺残の発生を予防する方法は残念ながらありません。
中でも、乳歯遺残はチワワやトイプードルなどの小型犬で発症しやすいため、それらの犬種がいるご家庭では、特に注意してお口の中をチェックするようにしましょう。

 

まとめ

乳歯遺残は人間ではあまり聞きなれない言葉かと思いますが、特に犬ではよくみられる疾患です。歯並びが悪いと咬み合わせの悪さや歯周病など様々な問題を引き起こすため、ご家庭の愛犬愛猫の歯に異常を感じた場合は動物病院で診察してもらいましょう。

 

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