2025.11.19 犬や猫の目の白濁は要注意!白内障だけではない原因と診断
最近、愛犬や愛猫の「目が白くなってきた気がする」「家具にぶつかるようになった」と感じたことはありませんか?このような変化が見られたとき、多くの飼い主様がまず思い浮かべるのは、「白内障」かもしれません。
白内障は犬や猫に多く見られる目の病気の一つです。しかし、実際には「核硬化症」という加齢による自然な変化によって、目が白く見えることも少なくありません。核硬化症は視力に大きな影響を与えないことがほとんどですが、そこに白内障が隠れている可能性もあるため注意が必要です。
そこで今回は犬や猫の目の白濁について、考えられる眼科疾患や症状、診断方法、治療方法などをご紹介します。

■目次
1.白内障ってどんな病気?
2.核硬化症とは?白内障との違い
3.飼い主様が気づきやすい症状
4.診断方法
5.治療・対応の選択肢
6.まとめ
白内障ってどんな病気?
白内障とは、目の中にある「水晶体」と呼ばれるレンズのような組織が濁ってしまい、光を通しにくくなる病気です。この濁りが進行すると、視力が徐々に低下し、最終的には失明に至ることもあります。
白内障はシニア期の犬や猫に特に多く見られる病気ですが、若い時期にも発症することがあります。例えば、糖尿病や目の外傷、遺伝的な要因が関与している場合には、年齢に関係なく発症することが知られています。
さらに、白内障が進行すると「緑内障」や「ぶどう膜炎」といったより深刻な病気を引き起こす可能性もあるため、放置するのは非常に危険です。特に、「シニア犬や猫の目が白く見える」と感じた場合は、白内障が進行している可能性もあるため、早めの受診が欠かせません。
核硬化症とは?白内障との違い
核硬化症とは、加齢に伴って水晶体の中心が硬くなり、瞳が青白く見える現象のことを指します。特にシニア期を迎えた犬や猫によく見られる変化で、これは病気というよりも「年齢による自然な変化」とされています。
核硬化症は、視力への影響がほとんどないことが多く、進行することもありません。しかし、外見上は白内障と非常によく似ているため、飼い主様が見分けるのは困難です。
なお、核硬化症は必ずしも危険な状態ではありませんが、その背後に白内障などの疾患が潜んでいる可能性があるため、正確な診断を受けることが重要です。
飼い主様が気づきやすい症状
犬や猫の目が白く見えるとき、以下のような症状が見られることがあります。
・瞳が白く濁って見える、または青白い光沢がある
・家具や壁などによくぶつかるようになった
・階段の上り下りをためらう様子がある
・暗い場所での行動がぎこちなくなる
・目が赤く充血している、涙が多い、痛そうに目を細める
このような症状が見られた場合、単なる加齢の変化ではなく、前述したように白内障による視力の低下や、場合によっては緑内障、ぶどう膜炎といった緊急性の高い病気が潜んでいる可能性があります。特に「目の白濁」に加えて、痛みや充血といった変化があるときは、できるだけ早く動物病院を受診するようにしましょう。
診断方法
目の白濁の原因を正確に特定するためには、動物病院での診察が欠かせません。診察ではまず、飼い主様からの問診や視診を行い、その後以下のような検査を実施します。
◆スリットランプ検査
水晶体の濁りの程度や位置、透明度などを詳しく調べます。
◆眼底検査
網膜や視神経の状態を確認し、目の奥に異常がないかを評価します。
◆眼圧測定
緑内障の可能性を調べるために行う検査で、目の中の圧力を測定します。
これらの検査を総合的に行うことで「白内障なのか、核硬化症なのか」あるいは「ほかに重篤な病気が隠れていないか」といった点をしっかりと見極めていきます。
外見上の変化だけでは診断が難しいため、専門的な知識と機器を用いた診察が必要です。愛犬や愛猫の目に異常を感じたときには、自己判断に頼らず、必ず動物病院で診察を受けるようにしてください。
治療・対応の選択肢
目の白濁に対する治療は、以下のように診断の結果によって大きく異なります。
<白内障と診断された場合>
初期であれば点眼薬で進行を抑える治療が選択されることがあります。視力障害が進行している場合には、外科的に水晶体を取り除く「白内障手術」が検討されます。手術には全身麻酔が必要ですが、成功すれば視力の改善が見込める治療法です。
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<核硬化症と診断された場合>
治療の必要は基本的にありません。視力への影響が少なく、進行もしないため、経過観察で十分です。ただし、白内障や緑内障など他の病気が同時に起きていないかを確認するために、定期的な診察を受けていただくことをおすすめします。
どちらの場合でも、早期に診断することで治療の選択肢が広がり、愛犬や愛猫の快適な生活を維持することが可能になります。放置することで症状が悪化し、治療が難しくなるリスクもあるため、「気になった時点で動物病院を受診する」という意識がとても大切です。
まとめ
「愛犬や愛猫の目が白くなったから白内障だろう」と思ってしまいがちですが、実は「核硬化症」という加齢による自然な変化であることも多く見られます。しかし、核硬化症と白内障は外見だけでは、見分けるのはほぼ不可能です。
また、白内障だけでなく、緑内障やぶどう膜炎といった緊急性の高い病気が潜んでいることもあります。そのため、「目が白く見える」と気づいた段階で、速やかに動物病院を受診することが大切です。
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