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2024.05.10 犬と猫の心筋症|早期発見・早期治療がカギ!

心筋症は心臓病のひとつで、犬と猫どちらにもみられる病気です。初期症状はみられず、気がついたときにはすでに進行していることが多いため、いかに早く病気の存在に気づけるかが重要となります。

今回は犬と猫の心筋症についてご紹介します。

■目次
1.心筋症とは
2.心筋症の症状
3.原因
4.診断・治療方法
5.予防法やご家庭での注意点
6.まとめ

心筋症とは

心筋症とは、心臓の筋肉(心筋)に異常が生じて、心臓がうまく機能しなくなる状態を指します。心筋症は「拡張型心筋症」「肥大型心筋症」の2種類あります。
は心筋が薄くなる「拡張型心筋症」、猫は心筋が厚くなる「肥大型心筋症」が多くみられます

心筋症の症状

心筋症を引き起こすと心臓がうまく収縮できなくなるため、血液の循環が悪くなってしまいます。初期の段階ではほとんど症状がみられず、進行すると以下のような症状がみられます。

・元気がない
・動きたがらない
・食欲がない
・咳が出る
・呼吸が苦しそう

また、血液の循環が滞ると血栓ができやすくなります。特に猫の肥大型心筋症は、血栓が後ろ足の血管に詰まってしまう「動脈血栓栓塞症」を引き起こしやすく、突然後ろ足が動かなくなったり、最悪の場合突然死してまったりするケースもあります。

原因

<犬>
犬の拡張型心筋症の原因ははっきりとはわかっていないものの、特定の犬種(ドーベルマンなどの大型犬やスパニエル種など)に多く発生することから遺伝が関係しているのではないかと考えられています。

<猫>
猫の肥大型心筋症についても遺伝が関係していると考えられており、メインクーンやアメリカン・ショートヘア、ラグドールなどに好発します。
しかし、実際の診察では、肥大型心筋症を患った日本猫に多く遭遇します。

診断・治療方法

主にレントゲン検査とエコー検査を行うことで診断します。

治療は主に薬物療法を行います。しかし、一度心筋症を患ってしまうと根治することはなく、治療では進行をいかに抑えるかが大切です。

「アピナック」という薬だけで維持されていて、思ったよりも悪化して肺水腫を起こし、当院に来院いただく患者様が多い印象です。
そのため、当院では比較的新しい「ピモベンダン」という薬を軸に、定期的に心臓の検査を行いながら、悪化する場合には利尿剤も併用し治療を行っています

予防法やご家庭での注意点

心筋症は予防が難しい病気であるため、早期発見・早期治療を行うことが大切です。初期は症状がほとんどみられないという特徴もあるため、期的に健康診断を受けるようにしましょう

まとめ

心筋症は進行性の病気であり、薬を服用して進行をいかに抑えるかがカギになります。進行すると息が苦しくなって、ごはんを食べることも動くことも辛くなってしまいます。
そのため、少なくても1年に1回、高齢の場合は半年に1回は心臓の検査を受け、早期発見・早期治療を心がけましょう

 

◼️心臓の病気についてはこちら
犬の肺水腫について|心臓病を持つ犬に多く見られる病気
犬の僧帽弁閉鎖不全症について|小型犬種でよく見られる病気

 

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