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2024.03.01 猫のよだれの原因とは?|疾患が発症しているケースも  

ご家庭の愛猫に、よだれが増えていると感じたことはありますか?口の周りがなんだか汚れているときや、前足がベタベタしているときは、よだれが増えているサインかもしれません。猫のよだれが増えている背景には何があるのでしょうか。

今回は、猫のよだれについて注意すべき点や考えられる疾患について解説していきます。

■目次
1.猫のよだれの原因は?
2.考えられる疾患
3.検査や治療方法
4.予防法やご家庭での注意点
5.まとめ

猫のよだれの原因は?

よだれは口の中が痛いときや吐き気を感じているときによくみられます。
それ以外では、苦い(おいしくない)ものを舐めてしまったときや神経症状を呈しているときもよだれがみられます。

 

考えられる疾患

口に痛みや不快感をおぼえる疾患として最も多いのは、歯周病と口内炎です。これらによるよだれの場合は、血が混じったり、食欲が低下したりする症状が多くみられます。
また、シニアの場合は口腔内腫瘍も鑑別疾患の一つです。

吐き気によるよだれの場合は、乗り物酔いや腎不全、肝不全が多いです。他にも血糖値異常やてんかん、異物の誤食などによる神経症状でもよだれがみられます。

 

検査や治療方法

口の中を診て、歯肉炎や腫瘍がないか確認します。それらの症状がないのによだれがみられる場合は、血液検査で腎臓や肝臓の数値、血糖値などを調べ身体の状態を確認します。

治療法は、よだれの要因となっている病気を特定し、それに沿った治療を行います。

<歯周病が要因の場合>
抗生剤や消炎剤の投与で一時的には良化しますが、多くの場合、炎症を繰り返すため、全身麻酔下での歯科処置(歯石の除去や抜歯)が必要になります。

<腎臓や肝臓などの内臓疾患の場合>
状態に応じて入院による点滴治療や投薬が行われ、症状と血液検査での値の改善を図ります。

 

予防法やご家庭での注意点

歯周病の予防には、日常のデンタルケアが大切です。また口内炎はウイルス感染との関連も示唆されているため、ワクチン接種も有効な方法です。

腎臓病や肝臓病は、発症を完全に予防することは難しいですが、定期的に健康診断を行い早期発見することで重症化を防ぐことが大切です。

 

まとめ

よだれの増加は、口周りの汚れから比較的気づきやすい症状かと思われます。
たかがよだれと思ってしまいそうですが、そこには愛猫にとって痛みや吐き気を伴う疾患が隠れているかもしれません。
よだれをたらしている状態が数日続いている場合は、早めに動物病院を受診しましょう。

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