ブログ

2024.07.03 季節の変わり目に要注意!|犬と猫の外耳炎について

季節の変わり目には気温や湿度の変化により、皮膚トラブルで受診する犬や猫が多いです。皮膚トラブルの中でも特に多く見られるのが外耳炎です。外耳炎は耳の外側の部分(外耳道)に炎症が起こる病気で、適切な治療を行うことが重要です。

今回は犬と猫の外耳炎について、症状や原因などを詳しく解説します。

■目次
1.症状
2.原因
3.診断方法
4.治療方法
5.ご家庭での日常で気を付けること
6.まとめ

症状

外耳炎の主な症状には、以下のようなものがあります。

耳のかゆみ:頻繁に耳を掻く、頭を振る、顔を床に擦り付けるなどの行動が見られます。
耳の赤みと腫れ:耳の内部や外側が赤く腫れます。
悪臭:耳から異常な臭いがすることがあります。
耳垢の増加:耳垢が通常よりも増えることがあります。

外耳炎を放置すると、症状が悪化して耳を触られるのを嫌がるため、治療が困難になります。また、犬や猫が痛みなど慢性的な耳の不快感を覚えるようになり、生活の質が大幅に低下します。

さらに、外耳炎が進行すると中耳炎や内耳炎を発症し、聴力の低下や感染症を引き起こす可能性が高まります。

原因

外耳炎は、以下のようにさまざまな原因により発症します。

アレルギー:アレルギー性皮膚炎やアトピー性皮膚炎
寄生虫感染:耳ダニなど
細菌や真菌感染:高温多湿の環境で発生しやすい
異物による刺激:草の種子、小石、汚れ、虫など
ホルモンによる異常:甲状腺機能低下症など
耳の構造上の問題:垂れ耳や耳毛が多い品種、耳道が狭い動物など
腫瘍:乳頭腫、基底細胞腫、耳垢腺癌など

診断方法

外耳炎の診断は、視診や検査を行います。
診断では耳の内部を直接観察し、炎症や耳垢の状態を確認します。また耳垢を採取し、顕微鏡で寄生虫や細菌、真菌の存在をチェックします。

細菌感染が疑われる場合は細菌培養を行うことで、犬や猫の症状に合った適切な抗生物質を特定することができます。

治療方法

外耳炎の治療は、主に耳洗浄と点耳薬が使用されます。
耳洗浄では、専用の洗浄液を使用して耳の内部を清潔に保ちます。

点耳薬には抗生物質や抗真菌薬、抗炎症薬などが含まれており、耳内部の感染や炎症を抑制するのに効果的です。ご家庭での点耳が難しい場合や状態が重度の場合は、内服薬を使用することもあります。

その他にも、耳ダニなどの寄生虫が原因の場合は寄生虫駆除薬を使用します。

ご家庭での日常で気を付けること

外耳炎の予防には、定期的に耳のチェックを行いましょう。外耳炎は再発しやすいため、一度発症したことがある犬や猫の場合は耳を清潔に保つことが重要です。
また、高温多湿の季節は特に注意が必要です。

外耳炎はペット保険が適用される場合があります。繰り返す通院により治療費が高額となることもあるため、保険適用については動物病院にお問い合わせください。

まとめ

外耳炎は適切なケアと治療によって管理が可能な病気です。季節の変わり目には特に注意し、定期的に愛犬や愛猫の耳を観察しケアすることが重要です。

何か疑問やお困りの点がございましたら、当院までお気軽にお問い合わせください。

■他の皮膚疾患についての詳細は、こちらの皮膚炎の記事をご覧ください
犬と猫の皮膚疾患|痒みや脱毛の原因と対策とは?

 

大阪府貝塚市の動物病院「クローバー動物病院」
診療案内はこちらから