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2024.03.05 犬や猫の歯茎が黒いけど大丈夫なの?|原因や病気についてご紹介

健康的な犬猫の歯茎は綺麗なピンク色をしています。しかしご家庭の犬猫の歯茎が黒いことに気がついたことのある飼い主様もいらっしゃるのではないでしょうか。歯茎の変色には様々な原因があります。

今回は犬や猫の歯茎が黒いときに考えられる原因や病気について解説していきます。

■目次
1.原因
2.考えられる病気
3.診断・治療方法
4.予防法やご家庭での注意点
5.まとめ

原因

犬猫の歯茎が黒くなる原因は様々ですが、よく見られる例をご紹介します。

<生まれつきや加齢による色素沈着>
メラニンという色素が増えることで歯茎が黒っぽく変色します。これは、病的なものではありません。特に茶トラの猫に起こりやすいといわれています。

<歯周病>
歯周病が進行すると炎症により歯茎が黒く変色してしまうことがあります。

<口腔内腫瘍>
黒く変色するだけでなく、歯茎に膨らみが見られる場合は腫瘍の可能性があります。

 

考えられる病気

前述したように歯周病や口腔内腫瘍が鑑別疾患としてあげられます。口腔内腫瘍のうち特に多いのはメラノーマで、腫瘍としての挙動も悪性(転移が多く、切除しても再発しやすい)の場合が多いため注意が必要です。

 

診断・治療方法

黒色部分を目視で確認し、原因を推察します。
歯石の沈着などが原因で歯周病を起こしている場合は、歯石除去や抗生剤・消炎剤の使用により炎症を落ち着かせることで、歯茎の変色が良化することがあります。
しかし、炎症が長期にわたって発生している場合は、色素沈着を起こし歯茎の色が元に戻らないこともあります。

また、腫瘍が疑われる場合は外科的切除や放射線治療、抗がん剤などが治療の選択肢に挙げられます。腫瘍の「種類」「ステージ」「発生箇所」により選択できる治療が異なるため、獣医師と話し合うことが重要です
生理的な色素沈着の場合、治療は必要ないため、しばらく様子見となります。

 

予防法やご家庭での注意点

生理的な色素沈着は予防できませんが、歯周病は普段からのデンタルケアで予防が可能です。毎日少しずつでもよいので歯磨きをしてあげましょう。
また、そのとき同時に口の中をよく観察することで、腫瘍ができてしまった場合の早期発見に繋がります。
腫瘍の治療はできるだけ早く開始することがとても大切なため、日常的に口の中を見る習慣をつけておきましょう。

猫の歯周病はウイルス感染も関与しているため、ワクチン接種による予防が必要です。

 

まとめ

犬や猫の歯茎が黒い原因には、病的ではないものから悪性の腫瘍まで、さまざまなものがあります。もし歯茎の変色に気がついたら自己診断はせずに、動物病院で診察してもらいましょう。

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