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2024.03.01 犬の歯磨きの仕方について|ご家庭で歯周病を予防しよう

犬の歯磨きは、愛犬が嫌がってしまいなかなかできないという声が多く聞かれます。無理やりやるのは可哀そう…と感じる方も中にはいらっしゃるかもしれません。
しかし、歯周病が重度になるシニア期には、同時に持病や麻酔のリスクが出始めて治療が困難になることも多々あります。

そのような事態を防ぐために、今回は犬の歯磨きの重要性や方法について解説していきます。

■目次

1.歯磨きの重要性
2.歯みがきの仕方
3.その他の歯のケアについて
4.まとめ

歯磨きの重要性

歯みがきをせず、口の中に食べ物や汚れが残ったままでいると、歯に歯石がついてしまいます。歯石は細菌の温床となり、歯茎に炎症を起こして歯周病へと進行していきます

重度の歯周病になると、次のような症状が発生します。
痛みで食事がとれなくなる
よだれが増えて口の周りや前足が汚れる
口臭がきつくなる など

さらに重症化すると、歯が抜ける、感染が顎にまで波及し顎を骨折するなどの事態に繋がる場合があります。

 

歯みがきの仕方

歯みがきを最初から受け入れてくれるわんちゃんはなかなかいません。子犬の頃から少しずつ練習し、慣らしていくことが大切です。

最初からいきなり歯ブラシを使用するのではなく、始めは飼い主様の指に歯磨きシートやガーゼ、コットンなどを巻き付けて歯を優しく拭くことから始めましょう
それも難しい場合は、口の中を見る、口の周りを触るなど更に簡単なことから練習し、徐々にステップアップさせると良いでしょう。

また、口を触られることはわんちゃんにとって抵抗が大きいことなので、無理やりにするのではなく、褒めたりご褒美をあげたりしながら、優しく練習することが大切です。

いよいよ歯ブラシを受け入れてくれるようになったら、歯みがきペーストやデンタルジェルなどをつけた歯ブラシで前歯から順に磨いていきます。
臼歯(奥の歯)は特に汚れが溜まりやすいので念入りにやる必要がありますが、嫌がりやすい箇所でもあるため、難しい場合は前歯→右奥→左奥というふうに3日に分けて全体を磨き、時間を掛けないように工夫することも有効です。
また、歯みがき後に口をゆすぐ必要はありません。

 

その他の歯のケアについて

歯ブラシを受け入れることがどうしても難しい子には、歯みがきガムや歯みがきロープ、デンタルスプレーなども有効です。
いずれも物理的に歯を磨くよりは効果が劣りますが、少しでもケアをしてあげた方がお口の中を健康に保つことができます。

また、やわらかいものやねっとりしたものは口内に残りやすく歯石の原因になりやすいので、歯みがきが苦手な子は極力ドライフードにし、おやつもよく噛む必要のあるものを選ぶと良いでしょう。

 

まとめ

犬の歯磨きは、慣れさせるまでとても大変で時間がかかります。しかし歯周病は数少ないご家庭で予防できる疾患の1つです。
まだ歯みがきケアを始めていない方や、うまく継続できない方は一度動物病院で相談し、その子に合ったやり方をアドバイスしてもらいましょう。

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