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2024.07.01 犬と猫の内分泌疾患について|症状と治療法を徹底解説

内分泌疾患とは、ホルモンの異常によって起こる病気のことです。

ホルモンは体の中でさまざまな機能を調節しているため、それぞれに特徴的な症状が現れます。また、犬と猫で発症しやすい病気が違ってくることもポイントです。

今回は犬と猫で代表的な内分泌疾患について、よく見られる症状や当院での治療法を中心にお伝えします。

■目次
1.内分泌疾患とは
2.通院頻度
3.予防法やご家庭での注意点
4.まとめ

内分泌疾患とは

内分泌疾患とは、何らかの理由でホルモンが過剰に分泌されたり、少なくなったりすることで起こる病気です。主に中高齢(8歳以降)で多く見られ、それぞれの病気ごとに症状や診断方法・治療方法などを解説します。

副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)

クッシング症候群は、副腎からステロイドホルモン(コルチゾール)が過剰に分泌される病気で、猫よりも犬に頻発します。

<症状>

皮膚が薄くなったり、左右対称にかゆみを伴わない脱毛が起きたり、おなかがぽっこりと丸くなったり、多飲多尿が見られます。

<診断方法>

ご自宅でどのくらいお水を飲んでいるのかお聞きするとともに、外注の血液検査でホルモンの数値を調べたり、超音波検査で副腎の大きさを確認したりすることで判断します。

<治療方法>

治療には内服薬(ステロイドホルモンをつくらせないようにする薬)が有効で、お薬だけで症状をコントロールできる場合もあります。
ただし、服用をやめるとまた症状が出てしまう可能性があります。また内服薬で症状が改善しないケースでは、手術による治療をご提案することもあります。

 

甲状腺機能低下症

甲状腺機能低下症は、甲状腺から分泌され代謝を調整するホルモンの量が少なくなってしまう病気で、猫よりも犬で多いことが知られています。

<症状>

悲劇的顔貌(垂れ目で悲しそうな表情)と呼ばれる様子が特徴的で、それ以外にも脱毛、フケ、色素沈着といった皮膚の異常が現れます。また、代謝が落ちることで何となく元気がなくなったり、太りやすくなったりすることもあります。

<診断方法>

診断には血液検査が有効で、甲状腺に関わるホルモンの数値を確認します。

<治療方法>

少なくなった甲状腺ホルモンの量を補うためのお薬を内服する必要があります。

 

甲状腺機能亢進症

甲状腺機能低下症と逆の状態で、犬よりも猫で一般的な病気です。

<症状>

代謝が上がることで、食欲や活動性が増すとともに体重が減少し、「よく食べるのに痩せる」状態になります。

<診断方法>

診断には血液検査が有効で、甲状腺に関わるホルモンの数値を確認します。

<治療方法>

内服薬や食事療法、手術があり、治療への反応を見て検討する必要があります。

 

糖尿病

糖尿病は膵臓から分泌され、糖を調整するホルモン(インスリン)がうまく作用しないことで、血液中の糖が増えてしまう病気です。
犬・猫ともに発症しますが、それぞれ違ったメカニズムが関係しているといわれています。

<症状>

多飲多尿の症状が特徴的です。

<治療方法>

治療の中心となるのはインスリン注射で、血糖値の数値を経時的に確認しつつ、ご自宅で毎日注射をしていただく必要があります。

通院頻度

内分泌疾患では、血液中のホルモンの数値が正常に近づいているか、定期的に確認することが重要になります。そのため治療中は、はじめは2週間に1回、その後は2カ月に1回ほど来院いただき、治療の効果を判断します

ただし、血液検査やお薬の頻度によってもその頻度は違ってくるので、詳細は獣医師までお尋ねください。

予防法やご家庭での注意点

内分泌疾患は一般的に、予防が難しい病気です。

ご家庭では、皮膚の様子や飲水・食事の量に注意していただき、普段と違うことがあれば早めに動物病院を受診しましょう。

まとめ

内分泌疾患は、ホルモンの異常によって引き起こされる病気です。
内服薬によってコントロールする場合は治療が長期にわたることが多く、定期的な受診が必要になることを覚えておきましょう。

 

大阪府貝塚市の動物病院「クローバー動物病院」
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