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2025.01.27 愛犬や愛猫の健康診断ガイド|獣医師が教える検査の重要性と年齢別の推奨検査項目

犬や猫の健康診断は、健康を守るために非常に重要です。特に年齢を重ねるごとに、健康管理の重要性は増していきます。また、飼い主様にとって、異常を言葉で訴えられない愛犬や愛猫の健康状態を把握するのはとても難しいことです。そのため、健康診断を受けることで、早期に問題を発見し、適切な治療を行うことができます。

今回は犬や猫の健康診断について、重要性や年齢別の推奨検査項目などについて詳しく解説します。

■目次
1.健康診断が重要な理由
2.年齢別の推奨検査項目
3.健康診断で実施する検査内容
4.健康診断を受けるタイミング
5.健康診断の流れと準備
6.まとめ

 

健康診断が重要な理由

犬や猫は本能的に体調の変化を隠す傾向があります。そのため、飼い主様が気づいたときには病気が進行していることも少なくありません。健康診断を定期的に受けることで、早期発見・早期治療が可能となり、愛犬や愛猫の健康を長く保つことができます。

例えば、健康な成犬が定期健康診断を受けたところ、初期の腎臓病や心臓病が発見されることは珍しくありません。早期に治療を開始したことで、病気の進行を遅らせることができます。

猫の場合も、健康診断で初期の糖尿病が見つかり、適切な食事管理と治療で健康を維持することができた例もあります。

特に、加齢に伴う変化や症状については注意が必要です。あまり散歩に行きたがらない、以前より食べないなどといった症状は、加齢の変化ではなく、関節炎や心臓病、腎臓病などのサインかもしれません。

これらの病気は早期に発見し、適切な管理を行うことで、その後の生活の質を大きく向上させることができます。

 

年齢別の推奨検査項目

<若齢期、成犬成猫(1-6歳)>
この時期の健康診断では、基本的な健診項目が中心となります。血液検査や尿検査、便検査を行い、内臓の機能や寄生虫の有無を確認します。ワクチン接種の確認や体重管理、歯の健康状態のチェックも重要です。

<シニア期(7歳以上)>
シニア期に入ると、より詳細な健診が必要となります。
基本的な健診に加えて、心臓のエコー検査やレントゲン検査、血圧測定などを行います。

これにより、心臓病や関節炎、腎臓病などの早期発見が可能となります。血液検査に関しても、より幅広く心臓病マーカーや甲状腺などの検査を必要に応じて追加します。

<高齢期(11歳以上)>
高齢期には、さらに重点的なチェックが必要です。特に、認知症の兆候や、がんの早期発見に力を入れます。定期的な血液検査や画像検査に加えて、行動の変化や食欲の低下など、日常生活の中での変化にも注意を払い、必要な検査を決定します。検査の頻度を年3回程度まで増やしましょう。

 

健康診断で実施する検査内容

健康診断では、一般的な検査項目として血液検査や尿検査、便検査が行われます。これらの検査により、内臓の機能や感染症の有無、栄養状態などを確認します。

また、画像検査としてレントゲンや超音波検査が行われます。レントゲン検査では、骨や内臓の状態を確認し、超音波検査では、内臓の詳細な情報を得ることができます。これにより、腫瘍や内臓の異常を早期に発見することができます。

各検査は通常、数十分から1時間程度で終了します。検査の内容や動物の状態・性格によっては、もう少し時間がかかることもあります。

 

健康診断を受けるタイミング

定期健診の推奨頻度は、若齢期では年に1回、シニア期以降は年に2〜3回が目安です。特にシニア期に入ると、病気のリスクが高まるため、より頻繁な健診が推奨されます。

また、忘れないように誕生日のタイミングや、季節の変わり目に健康診断を受けると良いでしょう。食欲が急に落ちた、元気がない、体重が減ったなどの症状が見られた場合は、早めに受診することをお勧めします。

 

健康診断の流れと準備

健康診断の予約から当日までの流れと準備は以下の通りです。

①予約
まず、動物病院に予約を入れ、診察日を決めます。予約の際には、健康診断の内容や費用についても確認しておくとよいでしょう。

②準備しておくこと
当日までに飼い主様が準備しておくこととしては、前日の食事制限や、水分摂取の管理があります。特に血液検査を行う場合、絶食が必要なことも多いです。そのため、事前に動物病院に確認しましょう。また、普段の様子や気になる症状をメモしておくと、獣医師に伝えやすくなります。

③健康診断当日
当日は、リードやキャリーケースを用意し、動物がリラックスできるように接しましょう。

 

まとめ

愛犬や愛猫の健康診断は、健康を守るために欠かせないものです。定期的な健康チェックを行うことで、病気を早期発見し、適切な治療を行うことができます。特にシニア期に入ると、病気のリスクが高まるため、より頻繁な健診が重要です。

 

大阪府貝塚市の動物病院「クローバー動物病院」
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