2024.05.10 犬と猫の皮膚疾患|痒みや脱毛の原因と対策とは?
皮膚疾患は犬や猫がかかりやすい病気の上位に挙げられるほど、診察でもよく遭遇する病気です。さまざまな原因によって皮膚疾患が起こりますが、皮膚の痒みが出てしまうとストレスからQOL(=生活の質)が下がってしまうため、予防はもちろん、早期発見・早期治療を行うことが大切です。
今回は犬と猫の皮膚疾患についてご紹介します。
■目次
1.皮膚疾患とは
2.症状
3.診断・治療方法
4.予防法やご家庭での注意点
5.まとめ
皮膚疾患とは?
犬や猫の皮膚疾患には、以下のようなものがあります。
・アレルギー性皮膚炎
食べ物や花粉、ハウスダスト、ノミ、蚊などに対するアレルギー反応によって起こる皮膚炎
・膿皮症
ブドウ球菌(細菌)が原因で起こる皮膚炎
・マラセチア皮膚炎
マラセチア(カビの仲間)が原因で起こる皮膚炎
・皮膚糸状菌症
皮膚糸状菌(カビの仲間)が原因で起こる皮膚炎
・ニキビダニ症(毛包虫症)
主に犬でみられる皮膚炎で、ニキビダニ(毛包虫)が原因で起こる
・疥癬症
ヒゼンダニが原因で起こる皮膚炎
・外耳炎
耳の外から鼓膜まで(外耳道)に炎症が起こった状態
・内分泌疾患
甲状腺機能低下症や副腎皮質機能亢進症、糖尿病などの内分泌疾患によって起こる皮膚炎
症状
皮膚の発疹や発赤、痒み、脱毛、フケなどがみられることが多く、外耳炎を起こしている場合には耳垢が増えます。
診断・治療方法
皮膚疾患の原因はさまざまです。いくつかの皮膚疾患を併発していることもあります。そのため、細胞診や抜毛検査、皮膚ソウハ検査、くし検査など複数の検査を行うことで原因を確認します。また、アレルギーや内分泌疾患が疑われる場合には、血液検査などを行うこともあります。
主な治療方法は、薬物療法です。従来はステロイドを継続的に使うことが多かったものの、皮膚本来の免疫が戻らず、継続して薬を使わざるを得なくなってしまうリスクがありました。そのため、当院では用量最低限の抗生剤を処方し、かゆみ止めに特化した副作用の少ない薬と併用することで、根本的な皮膚炎予防を心がけています。
予防法やご家庭での注意点
予防のためには、こまめなブラッシングや定期的なシャンプーによって皮膚を健やかに保つことが大切です。ただし、シャンプーの頻度が多すぎたり、皮膚に合わないシャンプー剤などを使用したりすると炎症を悪化させてしまう可能性があるため、ご不安な飼い主様は動物病院に相談しましょう。
また、アレルギーによる皮膚炎を予防するために、部屋の掃除をこまめに行ったり、布製品(クッションやベッドなど)をこまめに洗濯したりして清潔に保つようにしましょう。
まとめ
皮膚疾患は犬でも猫でも発生率が高く、長年治療を行っているケースも少なくありません。痒みが強く出るケースでは動物たちにかかるストレスも大きくなるため、皮膚疾患が疑われる場合には、なるべく早めに動物病院を受診するようにしましょう。
大阪府貝塚市の動物病院「クローバー動物病院」
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